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中世の祭りにて思う

2005年 8月7日 フランス

 8月の最初の週末、ここドムフロントで中世の時代祭りがありました。2年に一度開かれる祭りのようで、町の名所である朽ちた城塞の周りでは馬術や旗ふりなど古の頃を思い起こさせるさまざまな行事がありました。また中世の様子を再現した青空市場も開かれ、コスチュームをまとい当時の貴族、騎士、農民などに扮した町の人や観光客でにぎわいました。私がここで過ごす夏も今年で3回目ですが、こんなにも華やいだ様子を見るのは初めてです。赤と黄色の小さな旗がここそこに飾られ、ぱたぱたと風にはためくのを見ているだけでなんとも心がうきうきしてきます。いつもは眠っているかのように静かな町がぱっと目覚めたかのよう。「都市の美しさは人の美しさである」という言葉を聞いたことがありますが、普段は整然とした静寂の町と称されるドムフロントに人々の体温や笑顔が加わって、この町の美しさが完成した型です。

 そうした祭りのにぎわいのなかにいて人がそれぞれに放つエネルギーについて考えました。きっかけはある「たたずまいの美しい人」をみたことです。その人は男性なのですが、祭りのイベント旗ふりの旗手のひとり、雰囲気がちょっぴりブラッド・ピットに似ています。
brapi

 このブラビ君、大きな旗をひょいっと空中に投げ自在に扱うのがうまいだけでなく、観衆を取り込んでその場を盛り上げようとする姿がとても清々しい。観衆に拍手を促して他の旗手たちのやる気を鼓舞し、また高貴な中世の旗手という役を油断なく演じきってもいます。旗手は他にも3人いたのですが観衆のブラビ君への注目度が断然高い。彼が内側から放つエネルギー、自分たちのパフォーマンスを楽しんでもらいたいという思いに見ている人たちも応えていたように思います。確かに彼は技術的にも長けていて、旗を空中でキャッチする時も他の3人のように不安げな表情ではなく自信に満ちています。そうした余裕があるからこそ「みんなを楽しませよう」とか「他の3人にもリラックスして演じてもらおう」という配慮ができるということなのかもしれません。彼のパフォーマンスは好意的で、それ故に美しくもあります。

 演者から発信されたエネルギーが見ている人に届いて感動を呼び起こす。素敵な体験です。でもこうした感動は何かのパフォーマンスを見に行かなくても普段の生活のなかで経験しているようにも思います。周りにいませんか「彼/彼女に会うとなんか嬉しい」と思わせる人が。優しい人であったり、清らかな人であったり、苦しみと懸命に闘っている人であったり。その人たちが放つエネルギーに心が反応して嬉しくなったり感動したり勇気が出てきたり。目には見えないけれど何らかの力(人のエネルギー、気、オーラ)が人の心を動かす。そしてその力を受け取るばかりでなく、自身も常にまわりに与えているということ。

 実験です!待ち行く人とすれ違う時「お祭り楽しんでますか?」と心で話しかけながらこちらからにっこりと微笑んでみる。すると、多くの人が笑顔で応えてくれます。そうすると、またこちらもいい気分になるのでした。

 さてブラピ君ですが、旗ふりのパフォーマンスの後、町の目抜き通りで彼と遭遇する瞬間がありました。「う、どうしよう。Yummy Guys(美男子録)用にアップで撮らせてもらおうっかな」ともじもじしている間にその絶好の機会を逸してしまいました。S君曰く「You chickened out – おじけずいたなぁ!」です。そうです I chickened out! なので、彼の写真はちょっと遠めのものばかり。あしからずご了承ください。

more brapi

               ボンジュール! ブラピです

brapi back

                ふりかえってもブラピです

 尚、祭りでは色とりどりの紋章の武具を身につけた騎士たちが華麗な馬術を披露。また昔の旅芸人一座のパフォーマンスもあり楽しい週末でありました。

   その様子は↓で

  medieval 中世の祭り

 




©2005~10 Yoko Kobayashi-Baker